喫茶くらや

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林光洋展「輪廻転生 -アポトーシスと縄文土器-」

そこから個体をより良い状態に保つために積極的に自死を引き起こす細胞「アポトーシス(死滅細胞)」をデフォルメして抽象画で表現しはじめた。様々な人々が解き明かそうとした「人間の死と誕生の繋がりは如何にあるのか」のわたくし成りの考えである。

同時期、縄文土器に出合い、縄文研究の諸先輩より拝聴し深く献策してみると、縄文人は「死後転生」を強く信じていたらしく、土器・土偶はその思いを込めて製作されたものと思われた。女性や子供の死には模造した土偶を死体と共に埋葬されていたことなどから、やはり彼らは、「死後転生」を信じてきた様だ。

此のことは私の「輪廻転生」の謎解きの一助になるものとなり、縄文人になった気分で土器・土偶の製作に丹精を込めてきた。やはり縄文土器・土偶は、単なる装飾品ではなく、人間の死後への思いを込めていることを感じた。

絵画と縄文土器・土偶の製作を偶然同時期に実施しつつ、これを通じ「輪廻転生」の疑問が少し解け、今回個展開催を実施できることに幸運を感じています。展示作品を御観覧して頂いた皆さんのご意見を是非とも拝聴させて頂き更に疑問の解消をしたい。

其のことがアポトーシス、縄文人の転生であろうか。